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受発注管理表をExcel(エクセル)で作る方法!テンプレートと関数で業務効率化


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・本記事は公開時点の情報に基づいています。法令・制度変更等により内容が変わる可能性があるため、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

・記事内の画像はイメージです。実際の商品・サービスとは異なる場合があります。

受発注管理は、商品の仕入れから顧客への納品まで、ビジネスの根幹を支える重要な業務です。

製造業や小売業だけでなく、IT企業が外部エンジニアに開発を依頼する場合や、建設業が協力会社に工事を発注する場合など、あらゆる業種で発生します。

Excel(エクセル)を活用すれば、初期コストをかけずに今日から受発注管理を始められます。

この記事では、Excel(エクセル)で受発注管理表を作成する具体的な手順から、業務効率化に役立つ関数まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

【目次】

受発注管理表とは

受発注管理表とは、ビジネスにおける「受注」と「発注」の情報を一元管理するためのツールです。

受注管理は、顧客から注文を受けてから納品・請求までを管理する業務で、「いつ、誰から、何を、いくつ、いくらで受注したか」を記録します。

一方、発注管理は、仕入先や協力会社に対して「いつ、どこに、何を、いくつ、いくらで発注したか」を記録し、適切な在庫管理やコスト管理に役立ちます。

例えば、Web制作会社がクライアントからサイト制作を受注した場合、その案件情報を受注管理表に記録します。

同時に、デザイン業務を外部デザイナーに発注する場合は、発注管理表で委託内容や納期、報酬を管理します。

受注管理表で管理すべき項目

受注管理表には、顧客からの注文情報を正確に記録し、納品・請求までのプロセスを管理するための項目が必要です。基本となる7項目は以下の通りです。

項目 管理内容
受注日 注文を受けた日付(納期計算の起点)
受注番号 注文を識別する管理番号
顧客名 注文者の企業名・氏名
商品・サービス名 受注内容の詳細
数量 受注した個数や時間数
単価・金額 1つあたりの価格と合計金額
納期 納品予定日

これらの基本項目に加えて、業種や業務内容に応じて「担当者名」「進捗状況」「請求済/未請求」などを追加します。

IT業界であれば「開発工数」「使用技術」、建設業であれば「現場住所」「施工責任者」など、業界特有の項目を設定するとより実務に即した管理が可能です。

発注管理表で管理すべき項目

発注管理表は、仕入先や協力会社への発注内容を記録し、コストと納期を管理するためのものです。

基本となる7項目は受注管理と似ていますが、発注側の視点で整理します。

項目 管理内容
発注日 発注を行った日付
発注番号 発注を識別する管理番号
仕入先・委託先名 発注先の企業名・氏名
商品・サービス名 発注内容の詳細
数量 発注した個数や時間数
単価・金額 1つあたりの価格と合計金額
納期 納品予定日

発注管理では、受注との紐付けが重要です。

「受注番号」の列を追加して、どの受注に対応する発注なのかを明確にしましょう。

建設業で協力会社に工事を発注する場合は「工事区分」「安全管理項目」、IT業界で外部エンジニアに開発を委託する場合は「稼働形態」「契約形態」などを追加することをおすすめします。

Excel(エクセル)で受発注管理表を作る5つの手順

Excel(エクセル)で受発注管理表を作る5つの手順

Excel(エクセル)で受発注管理表を作成する際は、段階的に機能を追加していくことが成功の秘訣です。

最初は必要最低限の項目だけを設定し、基本的な入力ができる状態を作ります。

次に入力ミスを防ぐ仕組みを整え、その後で自動計算の機能を追加していきます。

手順1:必要項目を設定する

まずは、受発注管理表に必要な項目を洗い出し、Excel(エクセル)のシートに列として配置します。

この段階では、関数や書式設定は考えず、どんな情報を記録するかだけに集中しましょう。

受注管理に必須の8項目

受注管理表の1行目に、「受注番号」「受注日」「顧客名」「商品・サービス名」「数量」「単価」「金額」「納期」を列見出しとして配置します。

受注番号は「R20260101-001」のように、年月日と連番を組み合わせた形式が管理しやすいです。

商品・サービス名には、具体的な商品名や案件名(例:「Webサイトリニューアル」「外壁塗装工事」)を入力します。

これらの基本項目に加えて、自社の業務に応じて「担当者」「進捗状況」「請求済/未請求」などの列を追加します。

IT企業であれば「開発工数(時間)」、建設業であれば「現場住所」など、業界特有の情報も列に加えるとよいでしょう。

発注管理に必須の8項目

発注管理表も同様に、1行目に「発注番号」「発注日」「仕入先・委託先名」「商品・サービス名」「数量」「単価」「金額」「納期」を配置します。

発注番号は「P20260101-001」のように、受注番号と区別できる形式にします。

発注管理では「対応受注番号」の列を追加すると、どの受注に紐づく発注なのかが明確になり、案件ごとの収支管理に便利です。

建設業で協力会社に工事を発注する場合は「工事区分」、IT業界で外部パートナーに開発を委託する場合は「稼働形態(常駐/リモート)」などを追加すると実務に即した管理が可能です。

手順2:データ入力規則を設定する

項目を設定したら、次は入力ミスを防ぐ仕組みを整えます。

Excel(エクセル)の「データの入力規則」機能を使えば、誤った形式のデータが入力されるのを未然に防げます。

プルダウンリストで入力ミスを防ぐ

顧客名や商品名など、決まった選択肢から選ぶ項目には、プルダウンリストを設定すると便利です。毎回手入力する必要がなくなり、表記揺れも防げます。

設定方法は、入力規則を設定したいセル範囲を選択し、「データ」タブから「データの入力規則」をクリックします。

「設定」タブで「入力値の種類」を「リスト」に変更し、「元の値」に選択肢をカンマ区切りで入力するか、別シートに作成したマスタリストの範囲を指定してください。

より実務的には、別シートに「顧客マスタ」を作成し、そこに企業名リストを管理する方法がおすすめです。

新しい取引先が増えたときも、マスタシートに追加するだけで自動的にプルダウンに反映されます。

IT企業で外部パートナーに開発を委託する場合、「委託先マスタ」に協力会社のリストを作成すれば、表記揺れなく正確に記録できます。

日付・数値の入力制限

日付や数量、金額などの数値項目には、正しい形式でのみ入力できるよう制限をかけます。

日付の入力規則は、該当するセル範囲を選択し、「データの入力規則」で「入力値の種類」を「日付」に設定します。

「データ」を「次の値以上」に設定し、最小値に「=TODAY()」を指定すれば、過去の日付が入力されるのを防げます。

数量や金額の列には、「入力値の種類」を「整数」または「小数点数」に設定し、「次の値以上」を「0」にすることで、マイナスの値や文字列が入力されるのを防げます。

「エラーメッセージ」タブで、入力規則に違反したときに表示するメッセージをカスタマイズすると、入力者にわかりやすく指示できます。

手順3:関数と数式で自動計算を設定する

手入力を減らし、計算ミスを防ぐために、Excel(エクセル)の関数を活用しましょう。

ここでは、受発注管理で特に重要な3つの関数の使い方を解説します。

SUMIF関数で金額集計を自動化

SUMIF関数を使えば、特定の条件に合致するデータだけを集計できます。

基本の書式は「=SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲)」です。

例えば、C列に顧客名、G列に金額が入力されている受注管理表で、A社からの受注金額の合計を計算する場合、以下のように入力します。

=SUMIF(C2:C100, "A社", G2:G100)

複数条件で集計したい場合は、SUMIFS関数を使います。

例えば「A社かつ2026年1月1日の受注金額」を集計する場合は以下のようになります。

=SUMIFS(G2:G100, C2:C100, "A社", B2:B100, "2026/1/1")

IT企業で外部パートナーへの委託費を管理する場合、パートナー別・月別の委託費合計を自動計算すれば、予算管理の手間がグッと省けます。

VLOOKUP関数で商品情報を自動入力

VLOOKUP関数は、マスタデータから必要な情報を検索して取得する関数です。

商品コードを入力するだけで商品名や単価が自動入力されるため、入力の手間とミスを大幅に削減できます。

基本の書式は「=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, FALSE)」です。

例えば、別シート「商品マスタ」のA列に商品コード、B列に商品名、C列に単価が入力されており、受注管理表のD列に商品コードを入力したら、E列に商品名を自動表示させる数式は以下の通りです。

=VLOOKUP(D2, 商品マスタ!A:C, 2, FALSE)

エラー処理も重要です。商品コードが見つからない場合、#N/Aエラーが表示されてしまいます。

これを防ぐため、IFERROR関数と組み合わせます。

=IFERROR(VLOOKUP(D2, 商品マスタ!A:C, 2, FALSE), "商品マスタに未登録")

IF関数で納期アラートを表示

IF関数を使えば、納期が近づいているものや納期を過ぎているものに自動的に警告を表示できます。書式は「=IF(条件, 真の場合の値, 偽の場合の値)」です。

例えば、H列に納期が入力されており、納期まで3日以内になったら「注意」、納期を過ぎていたら「遅延」と表示する場合、I列に以下の数式を入力します。

=IF(H2<TODAY(), "遅延", IF(H2-TODAY()<=3, "注意", ""))

納期までの残り日数を表示する列を追加すると便利です。

=H2-TODAY()

マイナスになれば納期超過、0なら当日、プラスなら残り日数という意味になります。

IT企業でプロジェクト管理を行う場合、マイルストーンごとに納期アラートを設定すれば、開発遅延を早期に検知できます。

手順4:条件付き書式で見やすくする

関数で計算できるようになったら、次は見た目を整えます。

条件付き書式を使えば、特定の条件に合うセルの色を自動的に変えられるため、重要な情報が一目で分かるようになります。

納期が近いものを黄色、過ぎているものを赤色で強調する設定が代表的です。

納期の列を選択し、「ホーム」タブの「条件付き書式」から「新しいルール」を選択します。

「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選び、以下の数式を入力します。

  • 納期が過ぎている場合:「=H2<TODAY()」
  • 納期まで3日以内の場合:「=AND(H2>=TODAY(), H2-TODAY()<=3)」

「書式」ボタンをクリックして、塗りつぶしの色を設定すれば完成です。

金額の列にも条件付き書式を設定できます。

例えば、100万円以上の高額受注を青色で強調したり、発注金額が予算を超えている場合に赤色で警告したりする設定がおすすめです。

IT企業でプロジェクトの進捗状況を管理する場合、「未着手」をグレー、「進行中」を青、「完了」を緑、「遅延」を赤で色分けすると、プロジェクト全体の状況が一目で把握できます。

手順5:運用ルールを決めて共有する

管理表が完成したら、最後に運用ルールを決めてチームで共有します。

どんなに優れた管理表を作っても、使う人によって入力方法がバラバラだと、データの整合性が取れなくなってしまいます。

まず、入力のタイミングを明確にします。

受注管理表は「受注確定後24時間以内に入力」、発注管理表は「発注手続き完了後すぐに入力」など、具体的なルールを決めましょう。データの入力形式も統一します。

日付は「YYYY/MM/DD」形式、金額は税抜きか税込みかを統一、顧客名は正式名称で入力(略称禁止)など、詳細なルールを文書化します。

ファイルの保存場所と命名規則も決めます。ファイル名は「受発注管理表_YYYYMM.xlsx」のように、年月を含めた形式にすると、過去データとの区別がつきやすくなります。

複数人で共有する場合は、OneDriveやSharePointなどのクラウドストレージを使い、常に最新版を共有できる環境を整えましょう。

定期的な見直しも重要です。月に一度、管理表の運用状況を振り返り、「入力漏れはないか」「関数が正しく動いているか」「新たに必要な項目はないか」をチェックします。

業務の変化に合わせて管理表を進化させることで、長く使える仕組みを構築してみてください。

受発注管理に役立つExcel(エクセル)関数7選

ここからは、受発注管理でよく使う7つのExcel(エクセル)関数について、具体的な使い方を解説します。

先述しているものもありますが、一覧でよりわかりやすく紹介していきますのでぜひ参考にしてみてください。

SUMIF関数:条件に合う金額を集計

SUMIF関数は、特定の条件に一致するデータだけを合計する関数です。顧客別、商品別、月別など、様々な切り口で金額を集計できます。

書式 =SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲)
使用例 2026年1月1日の受注金額合計を計算するには、
ワイルドカードを使って「=SUMIF(B2:B100, “2026/1/1”, G2:G100)」とします

VLOOKUP関数:商品マスタから自動参照

VLOOKUP関数は、マスタデータから必要な情報を検索して取得する関数です。

書式 =VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, FALSE)
使用例 商品マスタに商品コードと商品名、単価を登録しておけば、
受発注管理表で商品コードを入力するだけで、商品名と単価が自動入力されます

IT企業でサービス単価を管理する場合、「サービスマスタ」にサービスコード、サービス名、標準単価、標準工数を登録しておけば、見積作成や受注入力が劇的に効率化されます。

IF関数:納期・在庫の警告表示

IF関数は、条件によって表示内容を変える関数です。

書式 =IF(条件, 真の場合の値, 偽の場合の値)
使用例 納期管理や在庫管理で自動的に警告メッセージを表示させることができます

複数のIF関数を入れ子(ネスト)にすることで、細かい条件分岐が可能です。発注管理では、発注金額が予算を超えていないかをチェックする用途にも使えます。

IFERROR関数:エラー表示を防ぐ

IFERROR関数は、数式がエラーを返したときに、エラー表示の代わりに指定した値を表示する関数です。

書式 =IFERROR(数式, エラー時の値)
使用例 VLOOKUP関数と組み合わせると、商品コードが商品マスタに存在しない場合に
「未登録」などのわかりやすいメッセージに変換できます

割り算でゼロ除算エラー(#DIV/0!)が発生する場合にも有効です。

COUNTIF関数:受注件数をカウント

COUNTIF関数は、特定の条件に一致するセルの個数を数える関数です。

書式 =COUNTIF(範囲, 条件)
使用例 顧客別の受注件数、商品別の販売回数、月別の発注件数などを集計できます

進捗管理にも活用でき、ステータス列があるとき、各ステータスの件数を自動集計できます。

IT企業でプロジェクト管理を行う場合、進行中のプロジェクト数、完了したプロジェクト数をCOUNTIF関数で自動集計すれば、チームの稼働状況を可視化できます。

ROUND関数:金額の端数処理

ROUND関数は、数値を指定した桁数で四捨五入する関数です。

書式 =ROUND(数値, 桁数)
使用例 金額計算で消費税を加算した後や、割引計算をした後に、
1円未満の端数を処理する際に使います

切り捨てるならROUNDDOWN関数、切り上げるならROUNDUP関数を使います。

IT企業でエンジニアの時間単価×稼働時間で委託費を計算する場合、時間計算の端数処理が必要になります。

TODAY関数:納期までの日数を自動計算

TODAY関数は、現在の日付を返す関数です。

書式 =TODAY()
使用例 この関数と日付の引き算を組み合わせることで、
納期までの残り日数を自動計算できます

「=H2-TODAY()」とすれば、結果がプラスなら納期まであと何日、ゼロなら本日納期、マイナスなら納期超過何日という意味になります。

営業日ベースで計算したい場合は、NETWORKDAYS関数を使います。

Excel(エクセル)で受発注管理を行うメリット

Excel(エクセル)で受発注管理を行うメリット

Excel(エクセル)で受発注管理を行うことには、多くのメリットがあります。

特に、中小企業や個人事業主にとっては、専用システムを導入するよりも現実的な選択肢となることが多いです。

初期コストゼロですぐに始められる

Excel(エクセル)で受発注管理を行う最大のメリットは、初期コストがかからないことです。

専用の受発注管理システムを導入する場合、数十万円から数百万円の初期費用がかかることも珍しくありません。

一方、Excel(エクセル)はほとんどの企業で既に導入されているため、追加費用なしで今日から受発注管理を始められます。

特にスタートアップ企業や小規模事業者にとって、初期投資を抑えながら業務を効率化できるのは大きな魅力です。

まずはExcel(エクセル)で受発注管理の仕組みを作り、事業が拡大してから専用システムへ移行するという段階的なアプローチも有効です。

自社の業務フローに合わせてカスタマイズできる

Excel(エクセル)のもう一つの大きなメリットは、柔軟性の高さです。

専用システムの場合、既定の機能や画面構成に業務を合わせる必要がありますが、Excel(エクセル)なら自社の業務フローに完全に合わせた管理表を作成できます。

業種特有の項目を自由に追加でき、業務の変化に応じて柔軟に項目を追加・変更できるのもメリットです。

IT業界でシステム開発を行う企業であれば、「開発言語」「使用フレームワーク」「テスト工数」などの技術的な項目を追加できます。

建設業であれば、「施工管理技士の有資格者」「安全管理項目のチェックリスト」など、業界特有の管理項目を自由に設定できます。

関数やマクロで作業を自動化できる

Excel(エクセル)には豊富な関数とマクロ(VBA)機能があり、これらを活用すれば高度な自動化が可能です。

手作業で行っていた集計作業、転記作業、チェック作業などを自動化することで、業務時間を大幅に削減できます。

SUMIF関数で顧客別の売上集計が自動化され、VLOOKUP関数で商品マスタからの自動入力を実現できます。

さらに、VBAを使えばボタン一つで複雑な処理を実行できます。

IT企業で複数のプロジェクトを並行管理している場合、マクロを使ってプロジェクトごとの工数集計や原価計算を自動化できます。

建設業でも、現場ごとの材料費・人件費・外注費を自動集計し、粗利計算まで自動化することで、経営判断のスピードを上げられます。

使い慣れたツールで学習コストが低い

Excel(エクセル)は多くのビジネスパーソンが日常的に使っているツールです。

そのため、新しいシステムを導入する際に発生する「操作方法を覚える」という学習コストが非常に低いのがメリットです。

基本的なセル入力やコピー&ペーストができれば誰でもすぐに使い始められます。

また、トラブルが発生したときも、Excel(エクセル)の知識がある社員が社内にいれば、外部のサポートを待たずに解決できることが多いです。

インターネット上にもExcel(エクセル)の使い方を解説した情報が豊富にあるため、自己解決しやすいのも大きな利点です。

Excel(エクセル)で受発注管理を行うデメリットと対処法

Excel(エクセル)には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。

ただし、それぞれのデメリットには対処法があり、工夫次第で問題を軽減できます。

複数人での同時編集ができない

Excel(エクセル)の最大のデメリットは、複数人が同時に同じファイルを編集できないことです。

誰かがファイルを開いている間は他の人が編集できず、業務が停滞することがあります。

対処法としては、OneDriveやSharePointなどのクラウドストレージを活用することです。

Excel Onlineや、Microsoft 365版のExcel(エクセル)でファイルをクラウド上に保存すれば、複数人での同時編集が可能になります。

もう一つの対処法は、入力担当者を分けることです。

例えば、営業部が受注管理表を担当し、購買部が発注管理表を担当するというように、ファイルや担当を分けることで同時編集の問題を回避できます。

手入力によるミスが発生しやすい

Excel(エクセル)は基本的に手入力で運用するため、入力ミスのリスクが常につきまといます。

対処法として最も効果的なのは、データの入力規則を設定することです。

プルダウンリストを活用すれば、顧客名や商品名の表記揺れを防げます。

また、数値項目には入力範囲の制限を設定し、現実的でない値が入力されるのを防ぎます。

定期的なダブルチェックの仕組みも重要です。

月末に管理者が全データを確認する、売上金額と入金額が一致しているかを照合する、といった運用ルールを設定することで、ミスによる影響を最小限に抑えられます。

データ量が増えると動作が重くなる

Excel(エクセル)は大量のデータを扱うと動作が遅くなる傾向があります。

対処法としては、定期的にデータをアーカイブすることです。

前年度のデータは別ファイルに移動させ、当年度のデータだけを管理表に残すという運用にすれば、ファイルサイズを適切に保てます。

また、不要な数式や書式を削除することも効果的です。

使っていない列に数式が残っていたり、全セルに条件付き書式が設定されていたりすると、動作が重くなります。

その他の対処法として、以下の3つが有効です。

  • 条件付き書式を整理:複数の書式が重複していたり、不要な範囲に設定されている場合は「ルールの管理」から削除
  • 画像やグラフを圧縮:「図の形式」タブから「図の圧縮」を実行してサイズを小さくする
  • 計算方法を「手動」に変更:「数式」タブから「手動」に設定し、F9キーで再計算を実行

ファイル管理とバージョン管理が煩雑

Excel(エクセル)ファイルで管理すると、ファイルのバージョン管理が煩雑になりがちです。

対処法として有効なのは、ファイル名に日付を入れることです。「受発注管理表_20260106.xlsx」のように、ファイル名に日付を含めることで、どれが最新版かが一目でわかります。

より良い対処法は、OneDriveやSharePointのバージョン履歴機能を活用することです。

クラウド上でファイルを管理すれば、過去のバージョンを自動的に保存してくれるため、誤って上書きしてしまっても以前の状態に復元できます。

ファイルの保存場所を統一し、更新履歴を記録するシートを設けることも有効です。

Excel(エクセル)受発注管理のよくある質問

Excel(エクセル)で受発注管理を行う際に、よくある疑問とその解決方法をQ&A形式で解説します。

関数エラー(#N/A、#REF!)が出た時の対処法は?

Excel(エクセル)で関数を使っていると、#N/Aや#REF!といったエラーが表示されることがあります。それぞれのエラーには意味があり、原因を理解すれば解決できます。

以下の表を参考にしてください。

スクロールできます→

エラー 発生原因 対処法 予防策・補足
#N/A VLOOKUP関数などで検索値が見つからない • 検索値が正しいか確認
• 商品マスタに該当データを追加
IFERROR関数で包んで「未登録」などのメッセージを表示させる
#REF! 参照しているセルが削除された • 削除前の状態に戻す
• 数式を正しい参照先に修正
重要な列を削除する前に、
その列を参照している数式がないか確認する習慣をつける
#VALUE! 数式に不適切なデータ型が含まれている データ型を確認し、数値として入力し直す
#DIV/0! ゼロで割り算をしようとした • IFERROR関数で包む
• IF関数で事前にゼロ除算を回避する数式にする

ファイルが重くなった時の対処法は?

Excel(エクセル)ファイルが重くなると、開くのに時間がかかったり、動作がカクカクしたりして作業効率が落ちます。

対処法として、まず古いデータをアーカイブし、前年度のデータは別ファイルに移動させます。

次に、不要な数式を削除し、必要な範囲だけに数式を設定し直します。

その他の効果的な対処法として、条件付き書式の整理、画像やグラフの圧縮、計算方法の手動変更があります。

これらの対処法を試してもファイルが重い場合は、Excel(エクセル)の限界を超えている可能性があり、データベースソフトや専用システムへの移行を検討しましょう。

受注管理表と発注管理表は別ファイルにすべき?

受注管理表と発注管理表を同じファイルにまとめるか、別ファイルに分けるかは、業務規模や運用体制によって判断が分かれます。

スクロールできます→

管理方法 メリット 適している組織・状況
同じファイルにまとめる • 受注と発注の関連性が一目で分かる
• シートを切り替えるだけで両方の情報を確認できる
• 案件ごとの収支計算が容易
• 管理がシンプル
• 小規模事業者
• 受注と発注の件数が少ない場合
別ファイルに分ける • 担当者を分けられる
• 同時編集の問題を回避できる
• 情報を分離できる(例:発注価格を営業部に見せない)
• 動作が軽い
• 管理しやすい
• 中規模以上の企業
• 受注と発注の件数が多い場合

最終的には、実際に運用してみて使いやすい方を選びましょう。

最初は1つのファイルで始めて、不便を感じたら分割するという柔軟なアプローチが現実的です。

まとめ:Excel(エクセル)受発注管理表で業務効率化を実現しよう

まとめ:Excel(エクセル)受発注管理表で業務効率化を実現しよう

Excel(エクセル)を活用した受発注管理は、初期コストをかけずに今日から始められる現実的な業務効率化手法です。

この記事で解説した5つの手順に沿って管理表を作成し、7つの関数を活用すれば、手作業の削減とミスの防止が実現できます。

デメリットもありますが、クラウド共有や入力規則の設定といった対処法を実践することで、十分に業務に耐えうる管理システムを構築できます。

自社の業務に合わせてカスタマイズしていきましょう。

※免責事項

本記事は、作成時点の法令、ガイドライン、および公的機関の情報に基づいて作成されています。内容の正確性には万全を期しておりますが、法改正や制度変更等により、最新の情報と異なる場合があります。

また、本コンテンツは一般的な情報の提供を目的としており、法律的、税務的その他の具体的なアドバイスをするものではありません。個別具体的な事案については、必ず弁護士、税理士等の専門家にご相談ください。

本記事の情報を利用して行われた判断やアクションによって生じた損害、およびリンク先情報の正確性等について、当社は一切の責任を負いかねます。なお、本記事の記載内容は予告なしに変更することがあります。

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