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取適法における発注書とは?必要な記載事項を徹底解説【2026年法改正対応】


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・本記事は公開時点の情報に基づいています。法令・制度変更等により内容が変わる可能性があるため、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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2026年1月1日に、日本の商慣習に大きな変革をもたらす法改正が施行されました。

長らく下請代金支払遅延等防止法(通称:下請法)として親しまれ、恐れられてきた法律が、より現代のビジネス環境に即した形へと進化し、中小受託取引適正化法(通称:取適法)として新たにスタートを切ることになったのです。

この改正は、単なる名称変更ではありません。

従来の製造業中心の保護規定から、IT、デザイン、物流、建設関連サービスといった役務(サービス)や情報成果物の取引へと保護の網を広げ、フリーランスや小規模事業者との取引適正化を強力に推進するものです。

とくに、発注担当者が日常的に作成する発注書については、記載事項の明確化や交付のタイミングについて、より厳格な運用が求められるようになりました。

物理的な商品の発注のみならず、協力会社へのシステム開発発注、工事現場への人的リソースの依頼、デザイン事務所への制作依頼など、あらゆる外注において、新しいルールへの適応が急務となっています。

本記事では、この取適法における発注書(4条書面)のすべてを網羅的に解説していきます。

弁護士・南 陽輔のコメント:
物流の業界では、労働時間の上限規制による2024年問題に加え、2026年4月に施行される改正物流効率化法による2026年問題も懸念されています。本記事で取り上げる取適法は、2026年1月1日から施行されており、特定運送委託が対象業務に加えられています。つまり、物流業界においても取適法は避けて通ることができないものとなりました。
取適法は、従来の下請法を改正したものですが、特定運送委託が対象業務となり、さらに従業員基準が加わったことで、適用範囲が大幅に広くなります。取適法の内容をしっかりと理解して適切に対応できるようにしましょう。

【目次】

取適法とは

取適法とは

取適法(とりてきほう)という言葉を耳にする機会が増えましたが、その実態を正確に把握できている人はまだ少ないかもしれません。

取適法とは、正式名称を「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」または「中小受託取引適正化法」といいます。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」

これは、経済的に優越した地位にある委託事業者(旧:親事業者)が、立場の弱い中小受託事業者(旧:下請事業者)に対し、無理な要求や不当な減額、支払いの遅延などを行うことを防ぐための法律です。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第一条)」

これまで下請法が担ってきた役割を継承しつつ、2024年11月に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法(通称:フリーランス法)の理念を統合し、企業間取引(BtoB)における公正さを確保するための基本法として再定義されました。

従来の下請法ではカバーしきれなかった、サービス産業化が進む現代の取引形態に完全対応している点が特徴です。

たとえば、ITエンジニアへの準委任契約や、建設現場における付帯業務の委託など、成果物が見えにくい取引においても、明確なルールを設けることでトラブルを未然に防ぐ狙いがあります。

取適法の目的と概要

取適法の目的は、一言で言えば「中小受託取引の公正化」と「中小受託事業者の利益保護」です。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第一条)」

しかし、これを単に「弱いものを守る法律」と捉えるのは正確ではありません。取適法には、日本経済全体の生産性を向上させる効果もあるのです。

発注側が優越的地位を濫用して買いたたきをすれば、中小受託事業者は疲弊し、イノベーションを起こす余力も、賃上げをする原資も失います。

これではサプライチェーン全体が共倒れになってしまいます。

取適法は、発注側と受注側が対等なパートナーとして協力し合い、双方が適正な利益を得られる環境を作ることを目指しています。

具体的には以下の5つの柱で構成されています。

  • 適用基準への「従業員基準」の追加
  • 対象取引への「特定運送委託」の追加
  • 協議に応じない一方的な代金決定の禁止
  • 手形払等の禁止
  • 面的執行の強化

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第二条、第五条、第八条、第十三条)」

参照:公正取引委員会「中小受託取引適正化法ガイドブック「下請法」は「取適法」へ~知っておきたい制度改正のポイント~」

2026年1月1日の法改正で大きく変化した点

まず、2026年の改正における最大のポイントは、「下請法」という法律名が「取適法」へと変更されたことです。

下請法時代は、製造委託や修理委託が主な対象であり、アニメーション制作や放送番組制作、運送などが後追いで追加されていました。

しかし、ビジネスのデジタル化に伴い、境界線が曖昧な取引が急増。

今回の改正では、こうした「名ばかり業務委託」や「曖昧なコンサルティング契約」なども含め、実態として、事業者が他者に業務を委託するケースを包括的にカバーできるようになっているのです。

適用対象の判定においても大きな見直しが行われました。 従来の資本金基準に加え、新たに「従業員数基準」が追加されたのです。これにより、資本金が少なくても、実質的に規模の大きな事業者が規制対象として捕捉されることになります。

さらに、物流業界における多重下請け構造などを踏まえ、「特定運送委託」が新たに定義に加えられ、規制が強化されました。

また、運用の面では、事業所管省庁も取適法に基づく指導及び助言が可能になりました。

中小受託事業者が違反事実を情報提供しやすくするために、執行機関に報告したことを理由に不利益に扱われることを禁止(報復措置の禁止)し、この情報提供先として、現行の公正取引委員会及び中小企業庁に加え、事業所管省庁が追加されたのです。

これまでは悪質なケースのみが公表されていましたが、改正後は「指導」レベルであっても、改善が見られない場合や業界への影響が大きい場合は、社名が公表されるリスクが高まっています。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第五条、第八条)」

参照:公正取引委員会「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準」

これは企業にとって、レピュテーションリスク(評判リスク)に直結する重大な変更点です。

弁護士・南 陽輔のコメント:
報復措置の禁止については、公益通報者保護法の同趣旨のもとで設けられたものです。公益通報者保護法では主に役員や労働者(従業員)などの社内の者による通報を想定しています。2025年に改正された公益通報者保護法では、フリーランスの方の保護についても定められています。
取適法では、取適法違反を理由とする通報に対して、通報したことを理由にして、取引数量を減らしたり、取引を停止するなどの不利益な取り扱いを禁止することが明記されています。

取適法の対象となる取引と事業者の基準

取適法の対象となる取引と事業者の基準

「うちは中小企業だから関係ない」「大企業だけの話でしょ」と考えているなら、それは大きな誤解です。取適法の対象となるかどうかは、「資本金の額」と「取引の内容」の組み合わせで機械的に決まります。

事業者の資本金区分(委託事業者と中小受託事業者の関係)

基本的に「委託事業者(発注側)」の資本金が「中小受託事業者(受注側)」の資本金よりも大きい場合に適用されます。

取引の種類 委託事業者の資本金 対象となる中小受託事業者
製造・修理・特定運送 3億円超 3億円以下
製造・修理・特定運送 1,000万円超〜3億円以下 1,000万円以下
情報成果物・役務提供(IT, デザイン, 配送等) 5,000万円超 5,000万円以下
情報成果物・役務提供(IT, デザイン, 配送等) 1,000万円超〜5,000万円以下 1,000万円以下

※上記表のほか、今回の改正で「従業員基準」(製造・修理・特定運送は300人超、情報成果物・役務提供は100人超の委託事業者)も新設されました。

ここで重要なのは、「個人事業主(フリーランス)」への発注は、発注側の資本金が1,000万円を超えていれば、ほぼすべて対象になるという点です。

弁護士・南 陽輔のコメント:
フリーランスが受注者の場合には、フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が適用されることになります。フリーランス法では、取適法のような業種による制限はなく、例えば建設工事の業務委託も適用対象となります。公正取引委員会が示しているところによれば、フリーランス法と取適法の双方が適用されうるケースでは、フリーランス法を優先して適用されることになります。取適法とフリーランス法では、契約内容の明示や受領から60日以内の支払いルールなど、共通する点が多いです。

対象となる取引(5つの委託)

取引類型 具体例
製造委託 金型、部品、原材料の加工、製品の製造など。自社製品を他社に作らせる場合を含む
修理委託 工作機械の修理、販売した製品のメンテナンス業務など
情報成果物作成委託 ソフトウェア開発、ゲーム制作、Webデザイン、図面作成、テレビ番組制作、市場調査レポートの作成など
役務提供委託 運送、倉庫保管、ビル清掃、警備、コールセンター、データ入力代行など。※建設業そのものは建設業法の管轄だが、建設会社が行う「敷地調査」や「設計」の外注は取適法の対象
特定運送委託
【2026年1月1日施行】
トラック運送事業者(実運送事業者)が、ほかの実運送事業者に運送業務を再委託するケース。物流の多重下請構造における適正化を目的とした新類型

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第二条)」

参照:公正取引委員会「中小受託取引適正化法ガイドブック「下請法」は「取適法」へ~知っておきたい制度改正のポイント~」

取適法の発注書(4条書面)とは

「取適法で発注内容を明示する義務とは具体的にどういうこと?」と疑問に思っている方も多いでしょう。

「発注内容の明示義務」とは、発注者が受注者に対して、仕事を依頼する際に、具体的になにを、いくらで、いつまでにやってほしいか、を証拠に残る形(書面やデータ)でハッキリと伝える義務のことです。

取適法第4条において規定されているため、実務上は「4条書面」と呼ばれます。

これは推奨事項ではなく、絶対的な義務です。

「忙しいから後で書面を送る」「いつものやつだから電話で済ませる」といった対応は、すべてこの第4条違反となり、50万円以下の罰金の対象となる可能性があります。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第四条、第十四条)」

この義務は、受注者を守るためだけにあるのではありません。

「言った言わない」の水掛け論になった際、発注者を守る唯一の武器となるのが、この4条書面なのです。

発注書交付義務(4条書面)の概要

4条書面の交付義務には、厳格なルールがあります。

まず、直ちに交付しなければなりません。

「直ちに」とは、法的な解釈では「可能な限り速やかに、遅滞なく」という意味ですが、実務上は「発注行為と同時」あるいは「業務着手前」と解釈すべきです。

また、記載すべき事項も法律で細かく定められており(後述する12項目)、これらが一つでも欠けていると、不備のある書面とみなされ交付義務を果たしていないと判断される恐れがあります。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第四条の明示に関する規則」

発注内容の明示義務が求められる理由

なぜここまで厳しく書面化が求められるのでしょうか。最大の理由は、日本の商習慣における曖昧さをなくすためです。

  • 「とりあえず作業を始めておいて。金額はあとで調整しよう」
  • 「いい感じのデザインを作って」
  • 「仕様変更するけど、納期はそのままで」

こうした口頭でのやり取りや曖昧な指示は、立場が弱い受注者にとって圧倒的に不利に働きます。

後になって「思っていたのと違うからやり直し(もちろん無償で)」と言われたり、「予算が取れなかったから半額にして」と言われたりしたとき、書面がなければ反論できません。

取適法は、こうした「後出しジャンケン」を許さないために、最初の段階ですべてのカード(条件)をテーブルの上に並べることを義務付けているのです。

下請法3条書面から取適法4条書面への変更点

下請法時代の実務に慣れている方は、3条書面という言葉に馴染みがあるでしょう。

今回の改正で条数がずれ、4条書面となりましたが、変更点は番号だけではありません。

代金を支払う際に、一括決済方式又は電子記録債権を使用する場合は、新たに以下の項目について明示・記録することが義務付けられました。

  • 一括決済方式:中小受託事業者が金融機関から貸付け又は支払を受けることができることとする時期の始期
  • 電子記録債権:中小受託事業者が製造委託等代金の支払を受けることができることとする時期の始期
弁護士・南 陽輔のコメント:
取適法のもとでは、手形による支払いは禁止されることになりました。手形は、端的に言えば支払期限を先延ばしにするものですので、手形での支払いを認めてしまうと、受注者の資金繰りの負担が大きくなってしまうからです。手形は、60日以内の支払いを義務とする取適法とは相反するものとなってしまいます。取適法のもとでは、できる限り銀行振り込みを含めた現金払いで行うようにしましょう。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第四条の明示に関する規則」

参照:公正取引委員会「取適法施行に当たり事業者の皆様に御留意いただきたい事項」

下請法・取適法における発注書交付義務

下請法・取適法における発注書交付義務

「下請法時代でも発注書は不要ですか?」「電話で注文しても良いですか?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言えば「下請法時代でも発注書は絶対に必要」であり、「口頭のみの発注は違法」です。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第四条)」

長年の付き合いがある協力会社や、急ぎの案件であっても、法律は例外を認めません。発注書面の交付は、企業の選択事項ではなく法的義務です。

ここでは、交付義務の法的拘束力と、違反した場合の具体的なリスクについて解説します。

弁護士・南 陽輔のコメント:
発注書交付義務について補足しますと、4条1項で、書面または電磁的方法(電子メールなど)で交付すべきと定められています。また、同条2項では、委託事業者側が電磁的方法で契約内容等を明示した場合であっても、中小受託事業者から書面交付を求められたときは遅滞なく交付しなければならないと定められています。委託事業者としては、電子データで送付しても中小受託事業者からの書面交付要求を拒否してしまうと取適法違反になるリスクがあるので、ご注意ください。

下請法でも発注書(旧:3条書面)の交付は必須だった

取適法はもちろんのこと、下請法時代でも発注書の交付は最も基本的な義務でした。この義務は、契約書があるからといって免除されるものではありません。

基本契約書はあくまで取引の枠組みを決めるものであり、個々の取引における4条書面(旧:3条書面)の代わりにはならないことが多いためです。

ここでのポイントは、それが努力義務(できればやってね)ではなく、法的義務(やらなければ違法)であるということです。

会社の規模が小さいから、相手が個人のフリーランスだから、友達同士のような関係だからといった理由は、法律の前では一切通用しません。

公正取引委員会や中小企業庁が定期的に行う書面調査(定期調査)では、まず真っ先に「発注書面が適切に交付されているか」がチェックされます。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第四条、第十二条)」

ここで不備が見つかると、より詳細な立入検査へと発展するリスクが高まります。

発注書を交付しない場合の罰則(50万円以下の罰金)

もし、発注書を交付しなかったり、虚偽の内容を記載した書面を交付したりした場合、どうなるのでしょうか。

取適法には罰則規定があり、違反した場合には、勧告・指導のほか、50万円以下の罰金が科されることがあります。

しかし、企業にとって罰金以上に恐ろしいのは、社会的信用の失墜です。

公正取引委員会からの是正勧告を受けると、原則として事業者名や違反事実の概要が公表されます。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第十条、第十四条)」

参照:公正取引委員会「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準」

「あの会社は取適法違反をしたブラックな企業だ」というレッテルを貼られれば、新規取引の停止、既存顧客の離反、採用難、株価の下落など、計り知れないダメージを受けることになります。

たかが紙一枚、データ一つの手抜きが、会社の存続に関わる事態を招くのです。

参照:政府広報オンライン「2026年1月から下請法が「取適法」に!委託取引のルールが大きく変わります」

口頭発注が違法となるケース

日常業務でやりがちな以下のようなケースは、すべて違法となる可能性が高いです。

ケース 具体例
先行着手 納期が厳しいので、発注書を作る前に電話で「やっといて」と指示し、作業を開始させた
あとから見積 「いくらかかるか分からないから、終わってから請求書をもらって、それに合わせて注文書を作るよ」という運用
口頭変更 「やっぱり数量を倍にしておいて」と電話で伝え、発注書を書き換えずに納品させた
メール本文のみ 必要な12項目の一部しか書かれていないメール一本で済ませた(法定記載事項の欠落)

これらはすべて「発注書面の交付義務違反」です。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第四条)」

とくに「あとから注文書を作る」というバックデート行為は、実態調査で非常に厳しく追及されるポイントです。

参照:公正取引委員会「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準」

取適法違反時の罰則の詳細や違反を指摘された場合の具体的な対処法については、別記事「取適法の罰則とは?違反時の罰金・社名公表のリスクと対処法を解説」で詳しく解説しています。こちらも合わせてご確認ください。

発注書(4条書面)の必須記載事項12項目

発注書(4条書面)の必須記載事項12項目

ここからは、実際に発注書(4条書面)を作成する際に、必ず記載しなければならない具体的な項目について解説します。

取適法では、以下の事項をすべて網羅する必要があります。自社のフォーマットと照らし合わせて確認してください。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第四条の明示に関する規則」

基本的な記載事項(8項目)

業種や取引内容に関わらず、すべての発注書に必須となるのが以下の8項目です。

No. 記載事項 記載のポイント
1 委託事業者(発注者)および中小受託事業者(受注者)の名称(氏名) 略称ではなく、正式名称(株式会社〇〇など)を記載。部署名や担当者名もあるとより確実
2 発注日(契約締結日) 発注書を発行した日付。「業務開始日」より後になっていると、先行着手の証拠となる
3 給付の内容(製造・修理・作成・役務の内容) 最も重要な項目。何を委託するのか具体的かつ明確に記載。「別紙仕様書通り」とする場合は、その仕様書が特定できるように記載
4 給付を受領する期日(納期) 「2026年〇月〇日」と特定。「要相談」「随時」「出来上がり次第」といった曖昧な表現は不可
5 給付を受領する場所(納品場所) 物品の納入場所(住所、倉庫名)や、データの送信先(メールアドレス、サーバーのURL)を記載
6 給付の内容の検査を完了する期日 納品後に検査を行う場合、検査完了期日を記載。検査を行わない場合は記載不要だが、トラブル防止のため検査の有無は明記すべき
7 製造委託等代金の額(発注金額) 確定した金額を記載。単価契約の場合は「単価×数量」という算定式でも可(具体的金額が計算できる状態であること)
8 製造委託等代金の支払期日 「受領日から60日以内」かつ「できる限り短い期間」で設定。「月末締め翌月末払い」などが一般的

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第一条、第三条)」

取引内容に応じた追加記載事項(3項目)

取引の方法や条件によっては、以下の項目の記載も必要になります。

No. 該当するケース 記載事項 注意点
1 一括決済方式などの場合 金融機関名・貸付などの期日・額 ファクタリングなどを利用する場合の詳細
2 電子記録債権の場合 金融機関等名・支払期日・額 でんさいなどを利用する場合の詳細
3 原材料などを有償支給する場合 品名・数量・対価・引渡期日・決済期日 製造業でよくある「有償支給材」がある場合。記載しないと、支給材代金を製造委託等代金から相殺する際にトラブルになる

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第五条)」

【一覧表】記載事項チェックリスト

見落としを防ぐため、以下のチェックリストを活用してください。

No. 項目名 チェックポイント 備考
1 事業者名 正式名称で記載されているか 屋号の場合は個人名も併記推奨
2 発注日 業務開始前または同時の日付か バックデートは不可
3 給付内容 「一式」で済ませず、内訳や仕様が明確か 詳細仕様書の添付・参照も可
4 納期 年月日が特定されているか 期間契約の場合は期間と各納期
5 納品場所 物理的な場所またはデータ送付先があるか
6 検査完了日 検査期間が明確か 受領後速やかに行うこと
7 金額 税抜・税込の別が明確か 総額表示推奨
8 支払期日 受領日から60日以内か 「支払サイト」を確認
9 手形情報 (原則禁止) 割引困難な手形は指導対象
10 決済情報 (該当時)金融機関名は正しいか
11 電債情報 (該当時)支払期日は適切か
12 有償支給 (該当時)支給品の単価・決済日はあるか 代金相殺の根拠となる

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第四条)」

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第四条の明示に関する規則」

参照:公正取引委員会「中小受託取引適正化法ガイドブック「下請法」は「取適法」へ~知っておきたい制度改正のポイント~」

【業種別】発注書の記載ポイントと注意点

発注書のフォーマットは全社統一のものでも構いませんが、記入内容は業種によってポイントが異なります。

ここでは代表的な4つのケースについて解説します。まずは、要点をまとめた一覧表をご覧ください。

取引類型 対象業務 ポイント
製造委託 部品加工、金型製作、製品組立、メッキ塗装など 図面や規格の特定が命
情報成果物作成委託 システム開発、プログラミング、Webデザイン、動画制作、設計図作成、原稿執筆など 「完成」の定義と「仕様」の明確化が最重要
役務提供委託 運送、倉庫作業、ビル清掃、警備、コールセンター、データ入力など 形のないサービスだからこそ「レベル(品質)」と「範囲」を定量的に定める
修理委託 工作機械の修理、パソコンの修理、社用車のメンテナンスなど 修理箇所の特定と、修理不能時の対応

製造委託の場合

項目 内容
対象 部品加工、金型製作、製品組立、メッキ塗装など
記載例 「図番ABC-123 Rev.2に基づく、ステンレス製フランジの加工 100個」
注意点 ・原材料の有償支給を行う場合、その支給材の代金をいつ製造委託等代金から引くのか(決済期日)を明記しないと、不当な早期決済とみなされる恐れがある
・金型を預ける場合は、部品の発注を長期間行わないにもかかわらず無償で保管させることは、不当な経済上の利益の提供要請に該当する可能性があるため、保管費用の取り決めや廃棄・返却の協議が必要です。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第四条の明示に関する規則」

情報成果物作成委託(IT・デザインなど)の場合

項目 内容
対象 システム開発、プログラミング、Webデザイン、動画制作、設計図作成、原稿執筆など
記載例 ・「販売管理システム詳細設計書 v1.0に基づくプログラミングおよび単体テスト(合格基準は別紙テスト仕様書に準拠)」
・「Webサイトトップページデザイン案作成(PC版/スマホ版 各1案、修正は2回まで含む)」
注意点 ・著作権の帰属(譲渡するのか、利用許諾なのか)についても、発注書または契約書で触れておく必要がある
・受領後に、受注側に責任がないのに修正させることは「不当なやり直し」に該当するため、やり直しの費用負担や合理的な負担割合について十分な協議が必要
・バグが見つかった場合の修正対応(瑕疵担保責任)の期間も明確にする
・IT業界では「動かない」「イメージと違う」というトラブルが多発するため、仕様の明確化がとくに重要

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第四条の明示に関する規則」

役務提供委託(物流・清掃など)の場合

項目 内容
対象 運送、倉庫作業、ビル清掃、警備、コールセンター、データ入力など
記載例 ・「〇〇物流センター内におけるピッキング作業(1日あたり作業員3名、9:00〜18:00)」
・「オフィス定期清掃(週2回、床掃除機掛けおよびゴミ回収)」
注意点 ・建設業そのものは「建設業法」の適用を受けるが、建設会社が発注する「ガードマンの手配」「現場事務所の清掃」「設計・積算業務」などは取適法の対象
・運送の役務に加えて、荷積み・荷下ろし等の附帯業務を行わせる場合は、その内容と対価を区別して明示する必要がある

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第四条の明示に関する規則」

修理委託の場合

項目 内容
対象 工作機械の修理、パソコンの修理、社用車のメンテナンスなど
記載例 「旋盤機〇〇号機のモーター異音調査および部品交換修理」
注意点 分解してみないと費用が分からないケースが多いため、まず「調査・見積業務」として少額で発注し、原因と費用が確定してから改めて「本修理」の発注書を出す(または補充書面を出す)という2段階方式が安全

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第二条、第四条、第五条)」

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第四条の明示に関する規則」

発注書の正しい交付方法と時期

発注書の正しい交付方法と時期

交付のタイミングは、「業務委託をするのと同時」が原則です。

つまり、電話で「お願いします」と言う前に、あるいはメールで「作業開始してください」と送信するのと同時に、要件を満たした発注書ファイルが相手の手元に届いていなければなりません。

どうしても詳細が決まらない(たとえば、仕様の一部が未定だが着手してほしい)場合でも、最低限決まっている事項(発注の意思、単価の目安、大まかな納期など)を記載した書面をまず交付し、「未定事項は決定次第、速やかに補充書面を交付する」旨を記載する必要があります。これを「当初書面」と「補充書面」といいます。

電子メール・EDIでの交付方法

現代のビジネスでは、紙の発注書を郵送することは減り、PDFのメール添付や、クラウド型の受発注システム(EDI)、電子契約サービスの利用が主流です。

取適法でもこれらは認められています。

  • メール/PDFの場合:必ず「添付ファイル」として送るか、ダウンロードURLを通知します。メール本文に条件を羅列する方法も法的に無効ではありませんが、情報が埋もれやすく、改ざんのリスクもあるため、PDF化して送付するのがベストプラクティスです。
  • EDI/Webシステムの場合:相手方がいつでも内容を確認・ダウンロードできる状態にしておく必要があります。「発注情報は画面で確認できるが、印刷も保存もできない」という仕様のシステムは、取適法違反となる可能性があります。

参照:公正取引委員会「下請取引における電磁的記録の提供に関する留意事項」

内容が確定しない場合の対応(補充書面)

開発案件などで、仕様を詰めながら並行して作業を進める場合(アジャイル開発など)、発注時にすべての仕様を固めるのは不可能です。

だからといって発注書なしで進めて良いわけではありません。

  • 当初書面の発行:まず、「開発業務の委託」であること、「期間」や「暫定的な金額(または単価)」などを記載した書面を発行します。未定の項目(たとえば詳細な機能リスト)については「別途仕様検討の上、〇月〇日までに決定し、補充書面にて通知する」と明記します。
  • 補充書面の発行:仕様が固まったら、すぐにその内容を記載した書面を追加で発行します。

このプロセスを怠り、最後までなあなあで進めると、最後に金額交渉でもめた際に発注側が圧倒的に不利になります。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第二条、第四条)」

参照:公正取引委員会「下請取引における電磁的記録の提供に関する留意事項」

参照:公正取引委員会「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準」

発注書と契約書の関係

「基本契約書を締結していれば、都度の発注書は不要ではないか?」 「契約書と発注書、どちらが法的効力を持つのか?」このような疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。

結論から言えば、取適法が求める4条書面の要件(12項目)さえ満たしていれば、その書類の名称が「契約書」であれ「発注書」であれ、法律上の問題はありません。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第四条)」

しかし、すべての取引条件を毎回一つの契約書にまとめるのは非効率的であり、実務においては「基本契約」と「個別発注」を役割分担させて運用するのが一般的です。

ここでは、法的な要件をクリアしつつ、スムーズな取引を行うための両者の正しい関係性と運用ルールについて解説します。

基本契約書+個別発注書の運用方法

多くの企業では、基本取引契約書(Master Service Agreement)と個別契約書(発注書)の2段構えで運用しています。

書類 役割 記載内容 有効期間
基本契約書 すべての取引に共通するルールを定める 秘密保持、知的財産権の扱い、損害賠償、支払条件(月末締め翌月末払いなど)、反社条項など 一度締結すれば長期間有効
個別発注書 その都度の取引における具体的条件を定める 作業内容(What)、納期(When)、金額(How Much) 取引ごと

取適法の4条書面として機能するのは、主に個別発注書の方ですが、支払条件などが「基本契約書に準ずる」と書かれている場合は、基本契約書とセットで4条書面の要件を満たすことになります。

したがって、中小受託事業者には基本契約書の写しも手元にある状態にしておく必要があります。

契約書で4条書面を兼ねる場合の要件

毎回、発注書という形式をとらず、案件ごとに業務委託契約書を作成し、双方が押印する形式でももちろん構いません。

その契約書の中に、先ほどの12項目がすべて網羅されていれば、それが4条書面となります。

ただし、契約書の製本や押印には時間がかかるため、実務のスピード感を損なわないよう注意が必要です。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第四条の明示に関する規則」

取適法に基づく発注書作成時に注意すべき禁止行為

取適法に基づく発注書作成時に注意すべき禁止行為

発注書を作る際、そこに記載する条件自体が違法であっては意味がありません。取適法における代表的な禁止行為と、発注書作成時の注意点を挙げます。

買いたたきにならない製造委託等代金の決め方

「予算が厳しいから、前回より10%カットでお願い。嫌なら他に出すよ」

このように、発注側が一方的に、通常支払われるべき対価より著しく低い額を定めることは「買いたたき」として禁止されています。

とくに近年は、原材料費、エネルギーコスト、労務費が高騰しています。

これらが上がっているのに、据え置き価格や値下げを強要することは、公取委の重点監視項目です。

発注書に金額を記載する前に、必ず中小受託事業者と協議を行い、適正な価格転嫁が行われているか確認してください。

不当な給付内容の変更・やり直しの禁止

一度発注書で仕様を確定した後に、発注者の都合で「やっぱりこっちのデザインにして」「機能を追加して」と変更する場合、それによって発生する追加費用を負担せずにやらせることは、不当な給付内容の変更にあたります。

また、受領後に「なんとなく気に入らない」といって、受注側に責任がないのに修正させることは不当なやり直しです。

変更が必要な場合は、必ず変更内容と、それに伴う追加費用・納期変更を記載した新しい発注書(変更契約書)を交わさなければなりません。

支払遅延を防ぐ支払期日の設定

発注書に記載する支払期日は、以下の2点を満たす必要があります。

  • 受領日(納品日)から60日以内であること。
  • あらかじめ定められた支払制度に基づくこと。

たとえば、「月末締め、翌々月10日払い」だと、最大で70日程度(30日+31日+10日)かかってしまう可能性があり、60日を超えるケースが出てくると違法になります。

納品後60日以内を厳守できる設定(例:月末締め翌月末払い)になっているか、経理部門と連携して確認してください。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第三条、第五条)」

参照:公正取引委員会「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準」

参照:政府広報オンライン「2026年1月から下請法が「取適法」に!委託取引のルールが大きく変わります」

発注書の保存義務と管理方法

無事に発注書を交付し、業務が完了したからといって、その書類をすぐに破棄してはいけません。

取適法では、中小受託事業者に対し製造委託等をした場合は、「下請取引の内容を記載した書類を作成し、2年間保存すること」と定められています。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第七条)」

これは、万が一のトラブルや公的機関の立入検査の際に、自社の正当性を主張するための重要な証拠(エビデンス)となるからです。

参照:公正取引委員会「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準」

書類がどこにあるか分からない状態では、たとえ正しく取引していても疑惑を持たれかねません。

保存すべき記録事項には、

  • 中小受託事業者の名称
  • 発注日
  • 給付の内容
  • 受領日
  • 代金の額
  • 支払日
  • 支払方法 など

取引の経緯に係る詳細が含まれています。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第七条の書類等の作成及び保存に関する規則(第一条、第三条)」

参照:公正取引委員会「下請法 知っておきたい豆情報 その3」

よくある質問(FAQ)

最後に、現場の担当者からよく寄せられる質問にお答えします。

Q. 発注書と注文書の違いは?

A. 法的な違いはありません。

「発注書」と呼んでも「注文書」と呼んでも、あるいは「依頼書」「制作指示書」と呼んでも、取適法の要件(12項目)を満たしていれば、それは4条書面として認められます。

自社の慣習に合わせて使いやすい名称を使用してください。

参照:公正取引委員会「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準」

Q. 電子契約サービスで発注書を交付できる?

A. 可能であり、むしろ推奨されます。

クラウド会計ソフトから発行・送付される発注書は、タイムスタンプが付与され、送付・受領のログが確実に残るため、法的な証拠能力が高いです。

紙の紛失リスクや印紙代の節約にもなるため、取適法対応を機に導入する企業が増えています。

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(第四条)」

参照:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第四条の明示に関する規則(第二条)」

Q. 発注書の再発行を求められたら?

A. 速やかに対応してください。

中小受託事業者が発注書を紛失した場合などは、再発行に応じましょう。

ただし、二重計上や二重発注のミスを防ぐため、再発行した書面の備考欄や余白に「〇年〇月〇日発行分の再発行」と明記し、枝番をつけるなどの管理を行うと安全です。

記事のまとめ:取適法と発注書の関係性を正しく理解しましょう

記事のまとめ:取適法と発注書の関係性を正しく理解しましょう

2026年の法改正によって生まれた取適法は、これからの日本におけるBtoB取引の新しいスタンダードです。

物理的な商品の発注だけでなく、IT開発、デザイン、工事関連サービス、物流など、あらゆる業務委託において、明確な発注書(4条書面)の交付が厳格に求められます。

「たかが発注書」と軽く見てはいけません。この一枚の紙(あるいはデータ)には、中小受託事業者の生活を守る権利と、委託事業者のコンプライアンスを守る責任が凝縮されています。

曖昧な口頭発注や、記載事項の不備は、もはや「うっかりミス」では済まされず、企業の存続に関わる重大なリスク要因となります。

この記事で解説した12項目の記載事項や、禁止行為のルールを参考に、ぜひ自社の発注業務フローを見直してみてください。

適切な発注書の交付は、パートナー企業との信頼関係を深め、ひいては自社のビジネスをより安定的かつ持続可能なものへと成長させる第一歩となるはずです。

弁護士・南 陽輔のコメント:
取適法では、下請法と比較して、資本金基準に加えて従業員基準によって法適用の有無が判断されること、特定運送委託が対象業務に加えられたことが大きな改正点として挙げられます。これらの改正により、取適法の適用範囲は下請法よりも格段に広くなったと言えます。
委託事業者としては、取適法の適用がある場合には取適法を遵守しなければなりません。契約内容を記した発注書の交付義務もその一つです。取適法違反となってしまうと、公正取引委員会等から指導や勧告を受けたり、勧告を受けたことを公表されるリスクがあります。
事業者としては、取適法違反にならないように日常業務において注意すべきであると言えます。発注書の記載内容についても、取適法の要件を満たしているか、しっかりと確認するようにしてください。
※免責事項

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