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テレワークの普及は、通勤ストレスの軽減や業務の効率化など、多くのメリットをもたらしました。
その一方で、在宅勤務が日常化するにつれて、
「最近、なんとなく体が重い」
「健康診断の数値が少しずつ悪くなっている」
と感じていませんか?
自宅で作業ができるテレワークは快適である一方、私たちの身体には“活動量の低下”という変化が起こっています。
とくにIT系などの業界でリモートで働く方や、在宅勤務がメインの会社員にとって、運動不足による健康被害は他人事ではありません。
本記事では、テレワークが引き起こす生活習慣病のリスクと、日常の中で無理なく実践できる具体的な予防策について、分かりやすく解説します。
【目次】
そもそも生活習慣病とは?
“生活習慣病”という言葉はよく耳にしますが、具体的にどのようなものかご存知でしょうか。
厚生労働省によると、生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、発症や進行に関与する疾患群のことを表しています。
代表的な疾患として、がん(悪性新生物)、心疾患(狭心症や心筋梗塞など)、脳血管疾患(脳梗塞やくも膜下出血など)のほか、糖尿病、高血圧、脂質異常症なども含まれます。
生活習慣病は遺伝的な要因や社会環境も影響しますが、日々の生活習慣を見直すことで、発症リスクを大きく下げることが可能とされています。
テレワークで変化した社会人の活動量

生活習慣病の予防には運動習慣を身に付けることが効果的と言われています。
しかし、コロナ禍を機に出社から在宅勤務へ切り替わったことにより、これまで無意識に行っていたオフィスへの通勤=日常的な身体活動が無くなってしまった、という方も少なくはありません。
ここでは、テレワークの普及によって社会人の活動量が具体的にどのように変化したのか、見落とされがちな2つの要因について詳しく見ていきましょう。
①テレワークで通勤がなくなる=歩行数の大幅な減少
毎日オフィスへ通勤していた頃は、駅への徒歩移動や階段の昇り降りなど、意識せずとも一定の歩行数を確保できていました。
しかし、自宅が職場になると、ベッドからデスクまでのわずか数歩で移動が完了してしまいます。
一度、テレワーク勤務日と出社日の歩数を確認してみてください。1日の歩行数が数千歩規模で減少していることも少なくないでしょう。
歩行数の減少は消費カロリーの低下に直結し、長期間続くことで身体の代謝機能を少しずつ低下させる原因となります。
②より深刻化しやすい“長時間の座りっぱなし”
自宅でのデスクワークは、オフィス環境と比べて周囲の目がなく、打ち合わせもWeb上で行われるため、席を立つきっかけが失われがちです。
気がつけば数時間連続で椅子に座ったままだった、という経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
この“長時間の座りっぱなし”は、世界的な研究でも健康に対する大きなリスクとして警鐘を鳴らされています。
なぜなら、座り続けることで下半身の大きな筋肉が動かなくなり、血流が滞りやすくなるからです。
活動量の低下がもたらす身体影響

運動不足や座りっぱなしの生活が慢性化すると、身体の内部では徐々に変化が起こり始めます。
自覚症状がないまま進行することが多いため、健康診断の血液検査や腹囲の測定で初めて危機感を覚えるケースも少なくありません。
活動量の低下が私たちの身体にどのような悪影響を及ぼし、生活習慣病のリスクを高めるのか、具体的なメカニズムを解説します。
内臓脂肪の蓄積
消費カロリーが摂取カロリーを下回る状態が続くと、余ったエネルギーは脂肪として蓄えられます。
とくにテレワーク下では、お腹の周りにつく内臓脂肪が増加しやすくなります。
内臓脂肪の蓄積は、見た目の変化だけでなく、生活習慣病の引き金となるメタボリックシンドロームの基盤となるため、最も注意すべき兆候の一つです。
血糖値・血圧の上昇
食事によって取り込まれた糖分は、主に筋肉を動かすエネルギーとして消費されます。
しかし、座りっぱなしの時間が長くなると筋肉での糖の消費が滞り、血液中の糖分が余って血糖値が上昇しやすくなります。
さらに、下半身の筋肉を動かさないことで血管が圧迫され、血流が悪化することも血圧を押し上げる要因となります。
これらの積み重ねが、将来的な糖尿病や高血圧症のリスクを高めてしまうのです。
自律神経への負担
テレワークは公私の境界線が曖昧になりやすく、人によっては就業時間外まで仕事のことが頭から離れない状態が続きがちです。
また、外出機会が減って日光を浴びる時間が短くなることも、睡眠やリラックスを司る自律神経のバランスを乱す原因になります。
自律神経の乱れは気分の落ち込みだけでなく、暴飲暴食を引き起こしたり、血管を収縮させて血圧に悪影響を与えたりと、悪循環に陥ってしまうこともあります。
以下の表は、活動量の低下がもたらす主なリスクをまとめたものです。思い当たる点が無いか、今一度確認してみましょう。
| 身体への影響 | 主な原因 | 放置した場合のリスク |
|---|---|---|
| 内臓脂肪の蓄積 | 消費カロリーの減少・運動不足 | メタボリックシンドローム |
| 血糖値・血圧の上昇 | 筋肉の不活動・血流の悪化 | 糖尿病・高血圧症 |
| 自律神経への負担 | オンオフの乱れ・日光不足 | 不眠・血管収縮による血圧上昇 |
厚生労働省が推奨する“身体活動の指針”
では、活動量の低下を防ぐために、私たちはどのくらい身体を動かせばよいのでしょうか。
厚生労働省が公表した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、健康づくりのための具体的な推奨事項が示されています。
成人に対しては、以下のような指針が掲げられています。
- (歩行又はそれと同等以上の)1日60分以上の身体活動(1日約8,000歩以上)
- 息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上
- 筋力トレーニングを週2〜3日
また、「座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する」ことが、すべての世代に共通する重要なメッセージとして強調されています。
自宅で無理なく実践できる生活習慣病の予防策

生活習慣病を防ぐためには、日々の生活の中に“無理のない仕組み”を組み込むことが大切です。
ハードな運動を急に始めても長続きしません。あくまでも大切なのは、無理のない範囲での運動・活動を習慣化することです。
とくに自宅での作業は自分の裁量で環境をコントロールしやすいため、少しの工夫で健康的な習慣を作ることができます。
ここでは、今日からすぐに実践できる、テレワーカーのための3つの具体的な予防策をご紹介します。
時間を決めて定期的に立ち上がる
長時間の座りっぱなしを防ぐ最も効果的な方法は、スマートフォンのアラームやWeb上のタイマーを活用して、定期的に席を立つことです。
たとえば、1時間に1回は必ず立ち上がり、その場で軽いストレッチをしたり、水分補給のために部屋を歩いたりする習慣をつけましょう。
これだけでも、滞っていた下半身の血流が改善され、筋肉が刺激されて糖の代謝が促進されます。
食事と間食のコントロール
自宅にいると、ついつい手が届く場所にスナック菓子などを置いてしまいがちです。
食事の管理には、Excel(エクセル)などのツールを使って食べたものを記録するのも手ですが、まずは買い置きのルールを決めることから始めましょう。
スナック菓子の代わりにナッツ類やハイカカオチョコレートを選び、小腹が空いたときは温かいお茶やブラックコーヒーを飲むことで、口寂しさを紛らわせるのもおすすめです。
始業前後の散歩で生活リズムの維持
テレワークの大きなメリットである通勤時間の削減を、そのまま健康への投資に変えてみませんか?
始業前の15分間、あえて外に出て近所を散歩する疑似通勤を取り入れるのも効果的です。
朝の光を浴びることで自律神経が整い、仕事モードへの脳の切り替えがスムーズになります。
また、終業後にも同様に歩くことで、仕事のストレスをリセットし、質の良い睡眠へと繋げることができます。
20歳・25歳・30歳の節目に…生活習慣病予防健診受診のすゝめ
「まだ若いから大丈夫」と思っていても、テレワークによる環境変化は自分が思っている以上に身体へ負担をかけています。
全国健康保険協会(協会けんぽ)では、就業等により生活習慣が大きく変化する若年層に対して、健康意識の向上と早期の対策を目的とした生活習慣病予防健診(一般健診・若年)が実施されています。
この健診は、20歳、25歳、30歳の被保険者を対象としており、身体測定や血液検査、尿検査、心電図、胸部X線など、生活習慣病の兆候を早期に発見するための検査項目がしっかりカバーされています。
対象となる方は、補助を利用して少ない自己負担で受診できます。
ご自身の加入している健康保険組合の案内を確認し、節目の年齢を迎える方は、ぜひこの機会を利用して自分の身体と向き合ってみてはいかがでしょうか。
※生活習慣病予防健診を含む各種健康診断については、以下の記事にて詳しく解説しております。ぜひあわせてご覧ください。
健康診断の種類と違いを完全解説|定期・雇入時・生活習慣病予防健診の費用や項目を比較
記事のまとめ:習慣を味方につけて、テレワークと健康を両立させましょう

テレワークによる活動量の低下は、本人が気づかないうちに生活習慣病のリスクを一歩ずつ高めていきます。
しかし、これは激しい運動をしなければ解決できない問題、という訳ではありません。
- 定期的に立ち上がる
- 朝の散歩を取り入れる
- 食生活を見直す
といった小さな行動を日常の仕組みに落とし込むことで、身体は確実に変わっていきます。
ご自身の健康を守り、長く快適にパフォーマンスを発揮し続けるために、まずは今日できる一歩から新しい習慣を始めてみましょう。
参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(概要)」
本記事は、作成時点の法令、ガイドライン、および公的機関の情報に基づいて作成されています。内容の正確性には万全を期しておりますが、法改正や制度変更等により、最新の情報と異なる場合があります。
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この記事を書いた人
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