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健康診断の種類と違いを完全解説|定期・雇入時・生活習慣病予防健診の費用や項目を比較


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・本記事は公開時点の情報に基づいています。法令・制度変更等により内容が変わる可能性があるため、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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「健康診断の案内が届いたけれど、どの種類を受ければいいのかわからない」
「パートやアルバイトでも健康診断を受ける義務はあるの?」
このようなお悩みを抱えていませんか?

働くすべての人にとって、健康管理は長く自分らしく活動し続けるための基盤です。

しかし、会社から案内される健康診断には「定期健診」や「生活習慣病予防健診」など複数の呼び方があり、何が違うのか戸惑うこともありますよね。

あらゆる現場で働く人々にとって、健康診断は法律で定められた重要なルールでもあります。

この記事では、初心者の方でも迷わないよう、健診の種類や費用、注意点をわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

【目次】

【早見表】定期・雇入時・生活習慣病予防健診の違いや役割をチェック

健康診断には、法律で義務付けられているものや、特定の年齢層を対象にした手厚いものなど、いくつかの種類があります。
まずは、代表的な3つの健康診断の違いを、以下の一覧表で確認してみましょう。

対象者 実施時期 主な目的 費用の負担
定期健康診断 常時使用する労働者 1年以内ごとに1回 継続的な健康状態の確認 (原則会社負担)
雇入時健康診断 常時使用する労働者 雇入れの際 業務に耐えうる健康状態かの確認 (原則会社負担)
生活習慣病予防健診 35歳~74歳の被保険者 毎年1回(75歳の誕生日前日まで) 生活習慣病の早期発見・予防 補助金あり(一部自己負担)

自分がどの段階にいるのかを把握することで、受診漏れを防ぐことができます。

毎年受ける「定期健康診断」で押さえておくべきポイント

定期健康診断は、事業者が常時使用する労働者に対して、1年以内ごとに1回実施しなければならない最も一般的な健診です。

デスクワーク中心の事務職から、現場で汗を流す建設職まで、全ての業種が対象となります。

自分は対象?パート・アルバイトのルール

正社員だけでなく、以下の条件を満たすパート・アルバイトの方も定期健診の対象となります。

  • 1年以上使用される予定があること(または期間の定めのない契約)
  • 1週間の労働時間が、正社員の4分の3以上であること

なお、週の労働時間が正社員の2分の1以上であれば、実施することが「望ましい」とされています。

どんな内容?法律で決まっている基本の検査項目

労働安全衛生規則(第44条)で定められている定期健康診断の主な項目は以下の11項目です。

  • 既往歴及び業務歴の調査
  • 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  • 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
  • 胸部エックス線検査及び喀痰(かくたん)検査
  • 血圧の測定
  • 貧血検査(血色素量及び赤血球数)
  • 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
  • 血糖検査
  • 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
  • 心電図検査

なお、一定の基準に基づいて医師が必要でないと認めた場合は、以下の項目を省略できるルールもあります。

  • 身長
  • 腹囲
  • 胸部エックス線検査
  • 喀痰検査
  • 貧血検査
  • 肝機能検査
  • 血中脂質検査
  • 血糖検査
  • 心電図検査

会社が実施する義務と、働く私たちが受ける理由

労働安全衛生法第66条に基づき、事業者には健康診断を実施する義務がありますが、じつは労働者側にも事業者が行う健康診断を受ける義務があります

これは、安全に働くためのコンディションを整えることが、双方にとっての責任であると考えられているからです。

健康診断は毎年受けられるため、自分の健康と向き合える良い機会です。日々のコンディションを整えるためにも必ず受けるようにしましょう。

入社前に必要な「雇入時健康診断」について解説

入社前に必要な「雇入時健康診断」について解説

新しく仕事を始める際に必ず通る道が、雇入時健康診断です。

これは、これから従事する業務に対して、健康上の問題がないかを確認するために行われます。会社から入社手続きの書類と一緒に案内を受け取ることが多いでしょう。

最近では、紙の書類だけでなくWeb上からマイページで予約や結果確認を行う医療機関も増えています。

入社前の慌ただしい時期ですが、スムーズに手続きを進めるためには、いつ、どこで受診すべきかを正確に把握しておくことが大切です。

いつ受けるのがベスト?実施のタイミングと期限

原則として、入社直前または入社直後のタイミングで実施します。

「雇い入れの際」という定義ですが、一般的には入社前後の1ヶ月以内に行われることが多いです。

費用は原則として会社負担

雇入時健康診断の費用は、原則として会社負担となります。

ただし、入社前に「自分で受けてきてください」と指示されるケースもあり、その際の立て替え払いや精算方法については、事前に会社へ確認しておくとスムーズです。

以前の健診結果が使えることも

入社前3ヶ月以内に医師による健康診断を受けており、その結果を証明する書類を提出できる場合は、重複する項目の検査を省略することができます。

心当たりのある方は、事前に担当者に確認しておきましょう。

35歳から意識したい「生活習慣病予防健診」を受けるメリット

35歳から意識したい「生活習慣病予防健診」を受けるメリット

35歳という節目を迎えると、協会けんぽなどの被保険者は「生活習慣病予防健診」を選択できるようになります。

生活習慣病予防健診は、通常の定期健診よりも検査項目が充実しており、がん検診(胃がん・大腸がん・肺がん)が追加されていたり、手厚い検査を安価に受けられるという非常に大きなメリットがあります。

補助金でお得に受診!協会けんぽなどの助成制度

協会けんぽの場合、35歳~74歳(75歳の誕生日前日まで)の被保険者を対象に、健診費用の一部を補助してくれます。

これにより、一般健診なら最高5,500円の自己負担で受診が可能です。

より詳しい「人間ドック健診」も選択可能

35歳~74歳の方であれば、一般健診の項目に加えてさらに詳しく体の状態を調べられる「人間ドック健診」を受診することもできます。

こちらは協会けんぽから最高25,000円の補助が出ます。

20代・30代前半でも受けられる「一般健診(若年)」

35歳未満の方でも、20歳、25歳、30歳という節目の年齢であれば「一般健診(若年)」を受診することができます。

最高2,500円の自己負担で受けられ、若いうちからの体の不調の早期発見や生活習慣の見直しに役立ちます。

自分に合った検査項目の選び方

基本のセットに加えて、自身の年齢や気になる症状に合わせて、オプション検査を追加することも可能です。

たとえば、20歳以上の偶数年齢の女性は最高990円で「子宮頸がん検診」を単独受診できるほか、40歳以上の女性は「乳がん検診」を追加することも可能です。

自覚症状が無くても、じつは病気が隠れていたという事例も少なくありません。この機会にさまざまな項目を検査してみてはいかがでしょうか。

健康診断の前日・当日の過ごし方と注意点

せっかく受診するのであれば、正しい数値が出る状態で臨みたいですよね。前日の食事制限や当日の体調管理は、検査結果の信頼性に直結します。

中でも、不規則な時間で働くことが多いという方は、食事のタイミングが深夜になったり睡眠不足になったりしがちですが、診断日の前後だけは規則正しい生活を心がけましょう。

ここでは、健康診断の受診前に気を付けるべき注意点をまとめました。

前日の食事は何時まで?

一般的には、受診の10時間前までに食事を済ませる必要があります。また、夜9時以降は絶食とされていることもあります。

加えて、アルコールは数値に影響しやすいため、前日は控えるのが賢明といえるでしょう。

当日の朝の薬や水分補給はどうすればいい?

  • 水分:水や白湯であれば飲んでも良いとされることが多いですが、砂糖の入った飲み物は厳禁です。
  • 薬:血圧の薬などは飲んでも良い場合が多いですが、糖尿病の薬などは低血糖を招く恐れがあるため、必ず事前に主治医や受診機関に確認してください。

生理中や体調不良時の判断基準は?

女性の場合、生理中は尿検査や便潜血検査で正しい結果が出ないため、後日再検査になるか、日程を調整するのが一般的です。

また、風邪などで発熱している場合は、血液検査の数値(炎症反応など)が乱れるため、無理せず延期を検討しましょう。

健康診断の受診日が決まれば、あらかじめ注意事項や問診票などの案内が配られることが多いです。

受診時の細かいルールは各医療機関によって異なるため、必ず予約した健診機関からの案内に従って過ごしましょう。

また、受診当日はマイナ保険証(または資格確認書)の提示が求められる場合があるため、忘れないように注意してください。

診断結果が届いたら|数値の読み方とこれからの向き合い方

診断結果が届いたら|数値の読み方とこれからの向き合い方

健康診断の結果が手元に届いたとき、総合判定だけを見て一喜一憂していませんか?

判定結果(AからEなど)にはそれぞれ意味があり、次の行動を促すメッセージが込められています。
ここでは判定の見方と、その後の対応について解説します。

AからEまでの判定結果、どう受け止める?

A判定:異常なし

今回の検査項目については、基準値の範囲内であり全く問題ありません。今の健康的な生活スタイルがあなたに合っている証拠です。

しかし過信はせずに、来年の健診までこの状態をキープできるよう、バランスの良い食事と適度な運動を継続しましょう。

B判定:軽微な異常(わずかに基準値を外れている)

「異常なし」とは言えませんが、直ちに治療や精密検査が必要な状態ではありません。

数値がわずかに基準値を超えている、あるいは下回っている状態です。

加齢や一時的な体調、生活の乱れが原因のことも多いため、まずは「何が原因か」を振り返り、生活習慣を少しだけ見直してみるのが良いでしょう。

C判定:要経過観察・要生活改善

「今はまだ病気ではないけれど、このままでは病気に進む可能性がある」というイエローカードの状態です。

3ヶ月〜6ヶ月後に再検査をして数値の変化を見る必要があります

とくに血圧や血糖値、脂質などの項目でC判定が出た場合は、食事内容の改善や運動不足の解消が急務です。

Web上の健康管理ツールなどを活用し、日々の歩数や体重を記録し始めるきっかけにしましょう。

D判定:要再検査・要精密検査

速やかに医療機関を受診する必要がある「レッドカード」のサインです。

「自覚症状がないから」と放置するのが最も危険です。大きな病気を未然に防ぐ、あるいは早期発見するための重要なチャンスだと捉えてください。

E判定:治療中

既にその項目で通院し、治療を受けている状態を指します。健診結果を主治医に見せ、現在の治療方針に変更が必要かどうかを確認しましょう。

健康診断の結果は、過去1年間のあなたの生活の「通信簿」のようなものです。

良い結果もそうでない結果も、今の自分を知るための貴重なデータとして受け止め、自分自身の体をメンテナンスする指針にしてください。

異常が見つかった時の会社側のサポート

じつは、健康診断で異常の所見があった場合、個人の努力だけでなく会社からのサポートも法律で定められています

事業者は健康診断の結果をもとに医師の意見を聴き、必要があると認められる場合は、作業の転換や労働時間の短縮など適切な措置を講じなければなりません。

また、医師や保健師による保健指導が行われることもあります。無理をして働き続けるのではなく、会社とも相談しながら働き方を調整することも大切です。

「要再検査」と言われたら?

D判定などが出た場合、「体調が悪いと感じていないから」「日常生活に支障が出ていないから」と放置するのは非常に危険です。

精密検査を受けることで、「じつは何もなかった」と安心できることもあれば、早期治療によって大きな病気を防げることもあります。必ず医療機関を受診しましょう。

もしどの診療科(内科、眼科など)を受診すべきか迷った場合は、健診を受けたクリニックに直接問い合わせてみるのが一番の近道ですよ。

記事のまとめ:自分に必要な健康診断で大切な体をメンテナンスしましょう

記事のまとめ:自分に必要な健康診断で大切な体をメンテナンスしましょう

定期健康診断や雇入時健康診断は、単なる会社の「義務」ではなく、私たちが長く元気に働き続けるための、いわば体のメンテナンスです。

35歳からは生活習慣病予防健診という選択肢も増え、それぞれのライフステージや状況に応じた健診を正しく受けることが、未来の自分への投資になります。

とくに、不規則な勤務体系の方や責任ある立場にいる方は、つい仕事の忙しさを優先してしまいがちですが、健康であってこその仕事です。

もし「再検査」の通知が届いているなら、今すぐ医療機関での診察予約を入れましょう。

本記事で紹介した知識を活用し、適切なタイミングで適切な診断を受けることで、大切な体をしっかりと守っていってください。

参考:厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう~労働者の健康確保のために~」

参考:協会けんぽ「健診について(被保険者)」

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この記事を書いた人

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